お仏壇のいわれ

古代インドの人々の間には、土をこねて壇をつくり、神仏をおよびする習慣がありました。

これを「土壇」といいます。

この習慣は仏教の伝来とともに中国へ伝えられましたが、いつしかその上に風露をしのぐための屋根が設けられました。

そしてその場所は、み仏と人々が仏縁で結ばれるところ(結界)と見なされ、仏教修行の場所でもあったのです。

これが寺院のはじまりだとされています。

やがて、仏教は中国から朝鮮を経てわが国に渡来します。

人々の仏教を尊ぶ気持ちは、年ごとに高まってゆき、寺院へ詣でる人も多くなります。

そこで、人々が日々仏教の尊さを味わうために、寺院を簡略化したものが作られるようになります。

それが、「仏壇」のはじまりといわれています。


おまつりの仕方

ご先祖をおまつりするお仏壇は、ご本尊の世界であるマンダラをあらわしています。

お仏壇におまいりするのは、ご先祖に供養をささげるとともに、一日の行動がご本尊の世界の中に生きる祈りでもあります。

法身大日如来さまのおおいなるいのち、それを身をもって実証された弘法大使さまの教え、そしてご先祖と、この身が一つのいのちであることを自覚するところが、お仏壇です。

嬉しいときも、悲しいときも、いつでもおまいりしたいものです。


お仏壇のまつり方で注意したいことは

• 湿気の多いところや不浄なところ、直射日光のさしこむところには置かないこと。

• できるだけ家族が礼拝しやすい場所を選ぶこと。押入れや物置などはもってのほか。

• おまつりするのですから、上段に安置しましょう。同時に、礼拝に適した高さも考えたいもの。

• 向きは、南や東向きがよく、北向きや神棚と向かい合った位置はなるべく避けること。


お参りの仕方

仏さまにお仕えする私たちの具体的な行いを「お給仕」と言います。

お仏壇に向かうときは、生きている人にお仕えするような心持ちでお給仕することが大切です。

お水とお仏飯は、食事が済んだら下げましょう。

お供え物は、いつ下げてもかまいませんが、悪くならないうちに下げていただきましょう。

「お供え」とは、仏さまを敬い、ご先祖に感謝しその心を捧げるものですから新しく、味と匂いも良いものでなくてはいけません。

四季の果物や野菜、お菓子、生前故人が好きだったものなどをお仕えします。

お仏壇の扉の開閉には、特別の決まりはありませんが、一般的には、朝開き、夜の礼拝のときに閉じます。ただし部屋の掃除の際には必ず閉じましょう。


<手順>

①お給仕は、毎日朝食前に!!

②お土産やいただいた物は、まづお仏壇にお仕えしてから

③お線香は三本。三角形に立て、頂点を手前に

④礼拝やお供えには、必ずカネを鳴らします

⑤毎日、家族そろってお仏壇に手を合わせましょう

⑥お仏壇には四季のお花を、拝する側にむけて


ご存知ですか

• お仏壇の中心はご本尊

• 新仏のお位牌は、忌明けまでお仏壇の外に

• 一年を過ぎた古いお札は、菩提寺でおたき上げをしていただきましょう

• お位牌の順位は、向かって右側が上位となります

• 一つのお位牌に、夫婦二人の戒名を並べる場合は、向かって右側が夫となります。また、水子の霊もお位牌をつくって手厚く供養したいものです

• 独立して世帯を持ったら、必ずお仏壇を備えて、ご本尊や先祖代々のお位牌をまつるのが本当のあり方です, 亡くなった仏もないのにお仏壇を求めると新仏が出たり悪いことが起こるというのは迷信にすぎません

• 新たなご本尊、お仏壇、お位牌をお迎えしたら、和尚さまにお経をあげていただきましょう


注意しておきたいこと

• ご本尊のないお仏壇は、魂のないヌケガラの箱にすぎません。お仏壇の上段中央には必ずご本尊を安置しましょう

• お仏壇には、四季折々のお花をできるだけお供えしたいもの。しかし、夾竹桃のような毒花、バラの花のようにトゲのあるもの、花粉の散るもの、また、造花などはさけましょう



▲ページの先頭へ戻る